トップ  >  最新採集結果  >  2011年7月26日〜8月12日 パラワン島〜バラバック島採集!

パラワン島はボルネオ島と共通する種(インペリアリスツヤ、モーニッケ、カネギエーテル、フェモラリスツヤの黒など)が生息しているため、標高1000m以上にボルネオ島のような綺麗なキクロマトスやフタマタがいないか、今度はパラワン島の標高1000m以上を目指す事にしました。

画像1左】 Mt.Gantung(奥の雲がかかった山)ブルックスポイントから歩いて1日以上は掛かる。

【画像2右】 山の麓の村で首を切られたキングコブラ 約4m(地元の人は見つけると危険なので★にします)

Mt.Gantungは有名な産地ですが標高1780mしかないため、パラワン島で1番高いMt.Mantalingajan(2086m)の標高1000m以上を目指しました。Mt.Mantalingajanは地理的に行くのが極めて困難(そのためクワガタの確実なデータはない)なのは地図上でも分かってましたが、到達に歩いて3日掛かってもなんとか標高1000m以上で採集したいと考えました。

プエルトプリンセサに着きそのまま目的地周辺まで直行で向かい(ミニバンで約6時間の片道を日本円で2万5千円。超高いパラワンの車代)翌日最短で行けそうな入山ルートを調べるため色々な方向から山を見て回り、山付近の村でMantalingajanの事を聞いてもほとんどの人はMantalingajanの山名すら知りませんでした。村長を尋ねたところ知ってましたがMantalingajanへ行くには市長の許可を取って、山は2つ超えて2日は掛かり悪性マラリア(致死率が高い)が非常に多いので登山は難しいという話でした。 

とりあえず生態調査目的の申請を出して許可が出るまでに市長の都合で2日掛かってしまったので急いで発電機(8台目)やライト、カーテンを買い揃え(許可が出なければライトトラップは出来ない為)マラリアの予防薬を買おうとしたら現在は医者の処方せんがないと買えなくなっていました(10年前は薬屋で当たり前に買えたため想定外) 
村警察2名と原住民2名を雇い、私のスタッフも含めて5日分の食糧とガソリン20ℓなどを買いました。その日は山の麓の家で寝ることにしたのですがその付近もマラリアが多い
(発症率が高い)という事だったので、私だけ蚊帳を借りて虫除けスプレーを全身に浴びて寝ました。
(※パラワン南部の山は吹き矢を使う原住民が、森は精霊が宿る神聖な場所と考えているため外部の人が山へ入るには原住民の案内が無ければだめ)

【画像3左】 ウロから出したパラワンヒラタ84mm(両アゴ欠け)

【画像4右】 毒塗り吹き矢(2m)を使う、南パラワンの原住民(スタッフ)

翌朝6時に山に向かって歩き出し、5日分の食糧(米、缶詰、その他)ガソリンなど荷物の多さで原住民を2名追加して計8名で向かいました。原住民の居住区付近まで行くとマラリアを媒介するハマダラ蚊が多くいて虫除けスプレーが汗でほとんど効かなくマラリアの予防薬も飲んでなかったので、このままではクワガタを採る前にマラリアにかかってしまうと思い(スタート2時間で断念)、とりあえずスタッフを先に標高1000mまで行けるか確認させる事にしました。(当初はマラリアの薬を飲んで登山予定だったので、発症して入院した場合日本人は法外な医療費を請求されるため)
私のスタッフには「標高1000m以上の場所でで良いクワガタが飛んで来たら、その時はマラリア覚悟で後から必ず登山するから頑張れよ!」と言い標高時計を渡し私だけ引き返す事にしました(命は惜しみませんが、マラリアは帰国後に発症する恐れもありその時ニュースになったらカッコ悪いので)
その夜、山のスタッフからメールが来て(山奥でも時々電波が入れば通話ができなくてもメールはできる場合がある)『山が険しくて標高640mまでしか登れなかったので今日はこの場所でライトトラップをする』と連絡があり、その夜はアトラス数頭、インターメディア、オキピタリス♀しか飛んで来なかったとの事でした。
次の日、私は別ルートからの登山コースを探しましたが、遠回りで時間が掛かってしまううえ山はやはりマラリアが多いという事でした。その日スタッフから連絡がありMantalingajan側にはライトトラップのポイントが見つからなかったから手前の山の標高840mでライトトラップをするという連絡がありました。1000m以下という事は普通種しか飛んで来ないので期待しないで待ってたところ、ゼブラ、インター、アトラスだけという連絡でした。
次の日はなんとかMantalingajanの1000m以上でポイントを探せと伝えたのですが、やはり1000m以上になるとオープンポイントが全くないらしくその日はMantalingajan側860mでライトトラップのポイントを見つけたという連絡でした。しかし結果はオキピタリス、インターだけだったという事でした。
4日目、当初の予定より2名増えて行動しているため5日分の食糧が尽きるから1000以上の新たなポイントが探せない状況だ、という連絡が来ました。仕方がないのでなんとかその日を最後に頑張ってくれと伝え、結果800mのポイントはゼブラ、インター、アトラスという事でした。
5日目に私は日中の採集でやっとヒラタのポイントを見つけ84mm2♂2♀をゲットし、夕方スタッフが下山するのを待ち合流しました。

結局この村からのコースでは1000m以上にポイントが無いというのが分かったので、次回は島の裏側から調べる事にしました。

予定より早くMantalingajanを切り上げたので、一気にバラバック島まで渡って調査するため、帰国の飛行機を変更して向かう事にしました。

【画像5左】 バラバック島 役場前(採集に行く前 AM:6:00)

【画像6右】 バラバックに上陸した証拠のために蝶採集(お土産)!

パラワン島のほぼ最南端の港まで行き、バラバック島までの船を調べると1日1便(定員約30名)の小さな船だったため急いで乗ると、海上保安官によって厳しく荷物をチェックされました。昼に出航して夕方バラバック島に着くと島はモスリム(イスラム教徒)中心で、まともな宿や食事をするとこが無く夜12時以降は電気が無い不便なところでした。

島はバイクしか無い(工事用の車両はある)ので翌朝バイクで山を見て周り、標高は500m位しかないのですが入り組んでいるため意外と原生林が残っていて(フィリピンの小さな島のほとんどは住人が生活するために原生林をを伐採してココナッツなどの生活畑になっている)原生林まで歩いたらブルの木が沢山あったのですが何も採れませんでした。ライトトラップの完璧な場所が見つからなかったので、とりあえず発電機(約20kg)をバイクで抱えながら(山道で揺れるので大変辛い)原生林近くまで運び、二次林との間でライトトラップをしたらアトラス♀バラバック島初)しか飛んで来ませんでした。次の日、別な原生林を調べに行きブルの木を探しても全くクワガタはいなく、ライトトラップはアトラス♀とオキピタリス♀だけでした。

【画像7】 樹皮を齧るバラバック島初のインターメディア(小さな蜂も樹液を吸っている)

更に次の日は島の逆側をバイクで調べに行き、海沿いをバイクで延々と走っていて砂浜の段差でバイクを降り、立ちションをしながら海に生えているマングローブを見ていたら枝に傷が付いているのが見えました(PM3:30頃)まさかマングローブをクワガタが齧るはずは無いだろうと思いつつ、もしかしたら他の昆虫が齧った可能性もあるかも知れないと思い、浅瀬の海に入ってその木によじ登り揺すってみたらなんと小型のダールマンが落ちて驚きました。私は思わずスタッフに「ジョニー、バガガン(パラワンやビサヤ地区でのクワガタの呼び名)!」と叫び、バイクの近くで休んでいたスタッフを呼びました。落ちたダールマンを捕まえてよく見ると、原歯形のアゴが細く通常のインターメディアの原歯形とは少し違っていたので最初はインターではないと思いました。私のスタッフも驚いていて、慌てて周辺のマングローブを探したら84mmで中歯のインターが採れたためインターメディアである事が判明しました。(以前、フィリピンに詳しいK氏が『バラバック島はダールマンなのかインターメディアなのか詳しくは分からない』と言っていたので)
私はもしかしたらガゼラもいるのではないかと思い、もう1台のバイクのドライバーにも協力してもらい手分けして探しましたが、インター20数頭とヒメカブト1♂だけで小型ノコギリなどは全くいませんでした(ライトトラップのためPM4:30頃切り上げ)
私は「何ででクワガタが採れないのに、でクワガタが採れんだ?」と言ったらスタッフが大爆笑してました。
マングローブには昔から齧られてきた食痕が多数見られたので、マングローブの乾いたような樹皮をを齧るという事は長歯形のアゴでは不利になるため、もしかしたらバラバック島のインターはミンドロ島の亜種ルディカのように長歯がいないのか?それとも長歯はやはり原生林側で他の樹液を吸っているのかが非常に疑問です
(今後の調査課題です)
私はこれまでに色々な島で採集してきてよく海沿いの宿に泊まるのですが、マングローブなどでクワガタは採れた事は無く、おまけにマングローブでクワガタが採れた話など他の人から聞いた事もありませんでした。
インターが
(海の上)で採れた条件として考えられるのは、マングローブの場所は原生林のほぼ下側にあるので、近くに原生林があるためと考えられます。それとこの島のマングローブは何らかの理由でクワガタに合った糖分を含んでいるのかもしれません。(以前にも述べてますが、同じ種類の木でも島が違うと全くクワガタが採れない場合がある)
同じような条件と環境の島が他にあれば、マングローブでクワガタが採れる可能性もあります。

この日のライトトラップは原生林で条件が良かったものの、月が出ていたせいかクワガタは1頭も飛んで来ませんでした。

あまりの驚きと生態的発見に、現地から国際電話でむし社の土屋氏に報告したところ、やはりマングローブでクワガタが採れるという話は聞いたことが無いという話でした。

帰国後も坂巻氏に尋ねたところ驚いていて、K氏も驚いていました。

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